ノマディック美術館

現在ニューヨークでは、坂茂(ばん・しげる)の「ノマディック美術館」がオープンしている。ハドソン川に臨むこの美術館は、館名が示すとおり、「ノマディック(遊牧民的な)」、移動可能な美術館。コンテナを交互に組み上げ外観を作り、内部では巨大な紙の筒を円柱として使用している。

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坂茂は紙を用いた「エコ建築家」として知られている。今回の美術館にも、柱の型をとるための紙でできた筒を、逆に柱にしてしまった。「紙は意外に丈夫なんです」と坂氏が言うように、なかなかしっかりした土台として機能している。

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またコンテナや紙の筒は収容にも適している。輸送に使われるコンテナは世界基準が設定されているらしく、どの国にも同様のプランで建設することができるという。また紙の筒も、空洞になっているので大きさの違う筒を内部に収容し、輸送費を節約することができる。まさに経済面においても「エコロジー」が徹底されているわけだ。

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現在この美術館では野生動物をモチーフとして撮影しているグレゴリー・コルベの写真が展示されている。入館料は12ドル。これが意外に安い?

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夜になると内部からライトの光が漏れてハドソン川の川面をうつし出している。なんだかこの写真を見ていると日本の灯篭流しや屋形船を思い出させる。遠目から見るとまるで河に漂っているようだ。

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坂茂氏は現在ポンピドゥー・センターの分館を建設している。2007年完成予定という。このノマディック美術館は6月6日までニューヨークに「滞在」し、次はパリへ、そして近いうちに日本へやってくるという。遊牧する美術館の「来日」が今から楽しみだ。


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by jaro050 | 2005-05-18 03:33 | 美術寸評
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