デルガン・メイスル社の建築

ドナウ川の流れるウィーン市街、エンバンクメント(堤防)沿いに奇妙な建築物がある。「ビーム」と名づけられたこの建物は、実は住宅用のアパートだという。細長くのびる柱がこの箱状の建物を支えている姿は、危うくも堅固な、異様ともいえる印象を与える。

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10x10_2 100 Architects 10 Critics』という分厚い書籍が去年ファイドン社から出版されたが、この中にデルガン=メイスル社(Delugan Meissl)の建築、「ビーム(Beam)」(1998)が掲載されていた。

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デルガン=メイスルはエルケ・デルガン=メイスル(Elke Delugan-Meissl)とローマン・デルガン(Roman Delugan)の二人が1993年に設立した設計事務所。今年の初春にシュツットゥガルト市ツッフェンハウゼンに建設予定のポルシェ・ミュージアム設計に際して行われたコンペにおいて、首席となった事務所だ。

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デルガン・メイスルの建築は主に幾何学的なグリッドで構成されており、半ばモダニズム建築を踏襲している。フランク・ゲイリーに代表されるような有機体的モデルが流行る一方で、こうしたミニマルな建築もまだまだ多い。

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それにしても「ビーム」という名称が気になる。日本語でビームといえば光線をイメージしてしまうが、その他に「横梁」という意味がある。横梁は船の重量を支えるために据え付けられるもので、船の骨格部分を指す。

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確かにこの建築は垂直にのびる柱に水平に敷かれた横梁が宙に浮く形で強調されている。こうしてみてみると、ドナウ川の脇に船が空中ドッグで着々と建造されているかのようだ。

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ところでこの建築の耐震構造はどうなっているのだろうか?ウィーンでは多分地震は少ないのだろうが、もしこれを日本で建てるとしたら、色々と問題が起こってくるんじゃないか・・・なんて勝手に想像してしまった。総帆展帆を見た日に、この「ビーム」の建築のことを思った。

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デルガン・メイスルHP
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by jaro050 | 2005-05-30 18:00 | 美術寸評
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