美の戦士たち


b0041761_3381423.jpg


『美の戦士たち』は映画作家ピエール・クーリブフによるアーティストとのコラボレーション作品三部作のうちの第二作。横浜美術館でおこなわれていた「イメージフォーラムフェスティバル2005」にて初めて鑑賞しました。初ヤン・ファーブルです。

雑誌などで見ていたファーブル像は「昆虫マニア」だったけど、彼の「コレオグラファー(振付師)」という肩書きの意味がようやくわかった感じ。舞台はモダンで質素な修道院のような場所。そこで繰り広げられる人々のシュールな出来事(アクシデント)が展開する。盲目の老人(フォーサイス)、ウェディング・ドレスを着た女性(エルス・ドルスークリア)、甲冑姿で剣を振り回す戦士、甲虫を口に入れた女性、肩に梟を乗せた男性(ヤン・ファーブル)、裸でもだえ踊る男女たち。これはいったい・・・。

b0041761_3383618.jpg


クーリブフはこの三部作でアーティストのフィルム・ポートレイトをつくっているという。ならば、これは原案を書いたヤン・ファーブルのポートレイトなのか。ファーブルは曽祖父のアンリ・ファーブルの「青の時間」という言葉を引き合いに出して、二つの領域にまたがる境目を常々重視していた。それは夜行性の昆虫が眠りに就き、昼間に活動する虫たちが目覚める、曙(あけぼの)の時――まさに生と死が交錯する領域。それがこの作品の舞台なんだろうか。まさに野獣とでも呼ぶべき動物化したダンサーたちはこの場で生まれ、活動し、そして痙攣して死んでいく。その生死のサイクルがまどろみの中で明滅する…(肩に梟を乗せたファーブルは睡眠薬を服用し、まさに「まどろみ」の中にいる)。

b0041761_338264.jpg


アーチを手探りで潜り抜ける老人は数字を数え(それはドイツ語のようだ)、刹那「私は預言者だ」と機敏に踊る。盲人はドン・キホーテか、さては美の伝道師か。さて・・・。
[PR]
by jaro050 | 2005-08-02 03:40
<< いざ金沢 ¥ポール・マッカーシー$シニカ... >>