蟲師(むしし)

アフタヌーンで連載している『蟲師』のTV放映が始まった。連載当初から読んでいる漫画だが、これが結構面白い。淡いタッチに、独特の間(ま)。蟲(むし)は昆虫などではなく、生命体系の根幹部分に分類される生命体という設定。だから幽霊のように(もしくは妖怪のように)見える人と見えない人がいるし、その種類は昆虫並みに多い。日本的アニミズム、と言っていいのかもしれない。『蟲師』はそんな蟲の専門家である蟲師が活躍する物語だ。

b0041761_6451611.jpgおそらく時代は大正時代をベースとした架空の世界で、舞台は木々がうっそうと生い茂る山岳地帯。というわけで平野はほとんど出てこない。半ば「もののけ的」な魅力をもつお話だが、宮崎アニメのような少年少女が夢想する夢ではない。どちらかといえば、森の静けさをたたえ、ほの暗い闇が迫るように一瞬ぞくっとさせられる、そんな夢だ。一話完結が基本で、悲しいお話もけっこうある。恋人が蟲に引き寄せられて人の形を保てなくなったり、死んでしまったりする。だが登場人物たちはみなその運命を受け入れるように、過激な抵抗はあまりしない。見ようによっては歯がゆい気分になるが、それがこの物語の「味」でもある。読むたびに切なくなるのがむしろいい。

漫画のアニメ化はたいてい二番煎じで面白くないが、その中でも『蟲師』はクオリティーが高かった。あらすじが分かっていても、毎週見てもいいと思わせる出来栄え。お勧めです。

※『蟲師』はフジテレビ系列で毎週土曜27:45(午前3時45分)から。
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by jaro050 | 2005-10-23 04:47 | 雑記
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