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うつらうつら

なんだか今日は気分がどんよりしていて、何かしたのかしてないのかよく分からなくなっているので、ちょっと列記してみる。

1. 「w.ベンヤミンの触覚概念と近代の視覚現象について」を読む

2. 「ロバート・スミッソンの〈スパイラル・ジェティ〉をめぐる問題」を読む

3. 「装飾と反復」を読む

4. 『ドゥルーズ ノマドロジー』の一部分をまとめる+関連図版収集

5. Arthur・C・Danto,Embodied Meanings を読み途中

なんかぜんぜん進んでいない感じがする・・・。



1.は、ベンヤミンの触覚概念を芸術学における触覚概念と対照させて、彼らが批判したステレオスコープ、パノラマをベンヤミンが再び論じたという事実を如何に捉えるか、というものだった。ベンヤミンの触覚概念というよりもリーグルやヒルデブラントの触覚概念がまとまっているので参考になった。

2.はグレートソルトレイクに巨大な岬を作り出したロバート・スミッソンが、《スパイラル・ジェティ》をバベルの塔になぞらえて「逆転の論理」を提示していることを明らかにしたもの。この作品とバベルの塔との関連は最近話題らしい。螺旋の非可逆性と可逆性の葛藤を、始まりと終わりを示すバベルの塔をモチーフとしているのは、非公開のアーカイヴ資料が物語っているという。ぜひ見たい。

3.は、アドルフ・ロースが主張した装飾に対する批判は、実はモダニズムを引き立てる図と地の関係をもっていたとする論文。何にでも隙間があれば装飾を施したいという「空間恐怖」に陥っている当時の装飾家たちに向けて発せられた緒言には、ロースの内装家としての警句に満ちていた。つまり熟慮された装飾の使用が望まれるのだ。それゆえウィーンにあるロースハウスは装飾あふれる街並みに対して非装飾のモダニズム建築だが、内部は装飾が施されるにいたった。地と図が交互に発生して襞のように折り返されている。こうした秩序が建築家に望まれるとロースは述べているというわけだ。これはドゥルーズの『襞 ライプニッツとバロック』における装飾論の各論といったところだろう。「形態は輪郭よりも、その被覆によって定義される」(『襞』)。

4.は講談社刊の「現代思想の冒険者たち」シリーズ。篠原資明が担当している本書の後半、ドゥルーズのベーコン論を述べた部分をまとめた。ドゥルーズは先史以来の目と手の関係、つまり視覚と触覚の関係をリーグルからヴォリンガーを参考にすることによって四つに分けている。そしてドゥルーズはベーコンの絵画に「色彩の触覚的な感じ方」を見出す。形態と地との共通の境界としての輪郭を介して、形態から地へ、地から形態へという色がもたらす膨張・収縮運動を、色彩エネルギーの交通として捉えている。いくつか他のベーコン論の解説を読んだけど、篠原資明の頭の良さには感服しました。簡潔です。

5.ダントの論文は結構読んだけど、いつもながら英文が難解。ちっとも進みやしない。レトリックがふんだんに盛り込まれているのも分析哲学出身だからですか?と言いたくなる。けど読まねば・・・。
by jaro050 | 2004-11-14 23:17 | 雑記
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