カテゴリ:歴史( 3 )

「冷忍」と呼ばれた人

「神田の三省堂で
    シンポジウムがあるんだけど、
           どうです、来ませんか?」
「ええ、ぜひ。」

b0041761_16345025.jpg こんな軽いノリで聴きに行くことになったイベントだけど、神田は御茶ノ水、古書店とスポーツ用品店が立ち並ぶこの界隈で、「レーニン」についてのシンポジウムが開かれるとは、あまりに時代錯誤的。いや、この場所だからまだ許される、ということか。

 もちろん主催者も「今さら」という反応は分かっていて、副題に「あるいは反時代的レーニン」なんて自虐的(?)フレーズをのせている。

確かにねぇ、
今になってレーニンを「積極的に」押し出す
ともいえないわけで、
そこら辺が彼らにも難しいのかもしれない。

いずれにしても
「一橋大の院生」が企画したというので、
どんな発言するんだろうと興味があったし、
僕も5,6年前に教養としてかじってみたことがあるだけに、
懐かしさから参加してみました。

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by jaro050 | 2005-09-25 15:22 | 歴史

1889――時代の交錯

ヒトラーとチャップリンが同じ年に生まれた、という事実は結構知られている。二人の人生を比較したときには、必ずといっていいほど登場する。

たいてい同じ年の出生を指摘したところでなんら二人には関係ないことだし、「同世代」ということだけを踏まえれば済む話である。過剰に憶測を飛ばす巷の「与太話」の域を出ない。

だがこれにハイデガーも付け加えると、何か意味ありげな色を帯びてくる。少し前までハイデガーのナチス加担が問題となっていたからだ。さらにこの1889年という年が第四回万国博覧会の開催、エッフェル塔完成、第二インターナショナル結成、東の方では大日本帝国憲法発布と重なると、もうなんだか無視できなくなってくる。

確かに1889年は「豊作」の年だったことは事実かもしれない。列記するだけでも、20世紀を代表する(してしまう)人々が名を連ねている。

1月4日   夢野久作(作家)
1月18日  石原莞爾(軍人)
2月18日  奥村土牛(画家)
3月1日   岡本 かの子(作家)
3月1日   和辻哲郎(哲学者)
3月7日   堤 康次郎(西武グループ創設者)
3月21日  柳 宗悦(思想家)
4月14日  アーノルド=ジョセフ=トインビー (歴史学者)
4月16日  チャールズ=チャップリン(俳優)
4月20日  アドルフ=ヒトラー(政治家)
4月26日  ルートヴィッヒ=ウィトゲンシュタイン(哲学者)
7月5日   ジャン=コクトー(詩人・劇作家)
8月1日   室生 犀星(詩人)
9月23日  ウォルター=リップマン(政治評論家)
9月26日  マルティン=ハイデガー(哲学者)
11月20日  エドウィン=ハッブル(天文学者)

1889年、激動の世紀末。この時代の変遷を示す年に、やがて20世紀の動向を担う人々を輩出した。そういった意味で、魅惑に満ちた年である。

(ちなみにアニメ『不思議の海のナディア』はこの年のパリから始まります。)
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by jaro050 | 2005-05-12 22:30 | 歴史

エンバンクメントのスフィンクス

b0041761_20103755.jpgもしロンドンに行くことがあったら、個人的興味として寄ってみたい場所があります。テムズ川沿いの道路「Victoria embankment(ヴィクトリア・エンバンクメント)」にある「クレオパトラの針」です。ここには二本のオベリスクが両岸に建っていて、それぞれブロンズ製のスフィンクス像がいます。なんでこの場所に行きたいかというと、イギリスの画家フランシス・ベーコン(1909-1992)の絵画にあるスフィンクス像は、このブロンズ像をモチーフにして描いたのではないかと思っているからです。

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b0041761_2092519.jpg彼はこのエンバンクメントの西方に位置するウェストボーン・テラスというところに1914年から5年間住んでいました。5〜10歳までをこの場所で暮らしていたわけです。この頃彼は生涯続く喘息を患ったと言われています。さてこの周辺にあるのは広大な敷地をもつ大公園ハイド・パークで、そこから東へ向かうとビッグ・ベンがあり、テムズ川にさしかかります。この場所にあるのがヴィクトリア朝時代に整備された川沿いの道路「エンバンクメント」です。ここには女王ヴィクトリアの繁栄を讃えて1878年にエジプト・アレキサンドリアからオベリスクが運ばれてきました。この尖塔の足下にはこのオベリスクを記念してブロンズで鋳造されたと思われるスフィンクスが配置されています。その顔のモチーフはこの尖塔を建設したトトメス3世と言われています。

b0041761_201617100.jpg時は下り1916年、ドイツ軍の飛行船ツェッペリン号による空襲でロンドンは甚大な被害を被ります。もちろんベーコンもその場に居合わせていますから、このときの空襲の思い出のなかに、スフィンクスがあったんじゃないかと思います。もちろん絵画には実際の戦争に対する何らかの訴えなどは微塵も感じられないけれど、17年のまだ空襲の傷跡が残る写真を見ると、たしかにこの頃の記憶が元になっていたんじゃないかと思わせるものがあります。

そんなわけで、ウェストボーン・テラスの通りから東に向かってエンバンクメント駅までを実際に移動してみたくなったわけです。


ヴィクトリア・エンバンクメントのオベリスクについては下記のサイトに詳しく載っています。

http://members.aol.com/Sokamoto31/london_j.htm
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by jaro050 | 2004-10-15 20:29 | 歴史