<   2005年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧

「冷忍」と呼ばれた人

「神田の三省堂で
    シンポジウムがあるんだけど、
           どうです、来ませんか?」
「ええ、ぜひ。」

b0041761_16345025.jpg こんな軽いノリで聴きに行くことになったイベントだけど、神田は御茶ノ水、古書店とスポーツ用品店が立ち並ぶこの界隈で、「レーニン」についてのシンポジウムが開かれるとは、あまりに時代錯誤的。いや、この場所だからまだ許される、ということか。

 もちろん主催者も「今さら」という反応は分かっていて、副題に「あるいは反時代的レーニン」なんて自虐的(?)フレーズをのせている。

確かにねぇ、
今になってレーニンを「積極的に」押し出す
ともいえないわけで、
そこら辺が彼らにも難しいのかもしれない。

いずれにしても
「一橋大の院生」が企画したというので、
どんな発言するんだろうと興味があったし、
僕も5,6年前に教養としてかじってみたことがあるだけに、
懐かしさから参加してみました。

続きを読む
[PR]
by jaro050 | 2005-09-25 15:22 | 歴史

絵画の表層と写真イメージ

b0041761_22593294.jpg「絵画の復権」を警戒せよ。こんなフレーズが今や常態化しつつあるのは、80年代に登場した「ニュー・ペインティング」に対する反省なんだろうか。確かにこの潮流の立役者の一人、デイヴィット・サーレの作品価格が暴落しているなんて記事を読んだことがあるし、トランス・アヴァンギャルディアの3Cは今何してるの?とも思うわけで、恐慌を経験すれば「復権」を疑うのも無理はない。そんなキーワードが90年代末に再び現れたときに、名前が挙がった作家が数名いる。今年6月まで開かれていたロンドンのサーチ・ギャラリー20周年展を下地にすれば、それはピーター・ドイグ(Peter Doig)、マルレーネ・デュマス(Marlene Dumas)、ルック・トゥイマンス(Luc Tuymans)、ヨルグ・インメンドルフ(Jorg Immendorf)ということになるだろう。

「The Triumph of Painting(絵画の勝利)」というこの展覧会のタイトルはまさしく問題含みである。サーチといえばもちろんYBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)の収集で一躍テイトに対抗するコレクターとして名を上げたのだが、その固定観念を打ち破るように、「いまさら」と思わせる絵画に勝ち鬨をあげたのである。案の定デイリー・テレグラフ、ガーディアン等イギリス各紙から揶揄されるに至っているが、それにも拘らずこのサーチの自信に満ちた態度は、一体何を示すのだろうか。

続きを読む
[PR]
by jaro050 | 2005-09-06 22:58 | 美術寸評

ゴールデン街のCREMASTER (M.B.S.D.2)

2002年に公開された「クレマスター3」で全5作が完結するまで、マシュー・バーニーは作品についてのコメントを一切受け付けなかった。それは展覧会カタログにおいても同様で、スチル写真と若干のテクストをのせる程度、作品を説明するようなものは皆無といっていい。そのせいかは知らないが、各作品が発表されるごとに様々な解釈が横行した。たいていは「なんか分からないけど凄そうだぞ」という興味本位の記事が多かったが、徐々に全貌が明らかになるにつれ、精神分析家たちの参入が相次いだ。

新宿歌舞伎町裏手にあるゴールデン街、ここにピンク色の怪しい光を放っている店がある。マシューの作品名にあやかったバー、「CREMASTER」だ。店名の脇にはこんな但し書きがある。「精神分析的実験バー」。精神分析医・藤田博史氏が去年開いた、三階建てのいかにも「あやしい」お店。最近知り合った友人に誘われて、ちょっとここを覗いてみようと新宿に繰り出した。毎週木曜の夜には、オーナーが自ら行うという「藤田ゼミ」が開かれるという。

b0041761_2361511.jpg


続きを読む
[PR]
by jaro050 | 2005-09-05 02:46 | 美術寸評