もしロンドンに行くことがあったら、個人的興味として寄ってみたい場所があります。テムズ川沿いの道路「Victoria embankment(ヴィクトリア・エンバンクメント)」にある「クレオパトラの針」です。ここには二本のオベリスクが両岸に建っていて、それぞれブロンズ製のスフィンクス像がいます。なんでこの場所に行きたいかというと、イギリスの画家フランシス・ベーコン(1909-1992)の絵画にあるスフィンクス像は、このブロンズ像をモチーフにして描いたのではないかと思っているからです。
彼はこのエンバンクメントの西方に位置するウェストボーン・テラスというところに1914年から5年間住んでいました。5〜10歳までをこの場所で暮らしていたわけです。この頃彼は生涯続く喘息を患ったと言われています。さてこの周辺にあるのは広大な敷地をもつ大公園ハイド・パークで、そこから東へ向かうとビッグ・ベンがあり、テムズ川にさしかかります。この場所にあるのがヴィクトリア朝時代に整備された川沿いの道路「エンバンクメント」です。ここには女王ヴィクトリアの繁栄を讃えて1878年にエジプト・アレキサンドリアからオベリスクが運ばれてきました。この尖塔の足下にはこのオベリスクを記念してブロンズで鋳造されたと思われるスフィンクスが配置されています。その顔のモチーフはこの尖塔を建設したトトメス3世と言われています。 時は下り1916年、ドイツ軍の飛行船ツェッペリン号による空襲でロンドンは甚大な被害を被ります。もちろんベーコンもその場に居合わせていますから、このときの空襲の思い出のなかに、スフィンクスがあったんじゃないかと思います。もちろん絵画には実際の戦争に対する何らかの訴えなどは微塵も感じられないけれど、17年のまだ空襲の傷跡が残る写真を見ると、たしかにこの頃の記憶が元になっていたんじゃないかと思わせるものがあります。 そんなわけで、ウェストボーン・テラスの通りから東に向かってエンバンクメント駅までを実際に移動してみたくなったわけです。 ヴィクトリア・エンバンクメントのオベリスクについては下記のサイトに詳しく載っています。 http://members.aol.com/Sokamoto31/london_j.htm
by jaro050
| 2004-10-15 20:29
| 歴史
|
プロフィール
ジャロ 20代も半ばにさしかかる鼻メガネ。 もはやメガネにアイデンティティを奪われる日も近い。 カテゴリ
以前の記事
2007年 03月 2007年 02月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 06月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 フォロー中のブログ
最新のトラックバック
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||